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174回 国土交通委員会 5号
平成22年3月5日
小渕委員
おはようございます。自由民主党の小渕優子でございます。 本日は、八ツ場ダムについて質問をさせていただきます。
先ほどからお話がありますように、八ツ場ダムは群馬県の長野原町にあります。 私の地元であります。きょうは、地元を代表いたしまして、地元の声を大臣にぜひとも御理解いただきたいという思いでこの場に立たせていただきました。 貴重な時間をいただいたことを大変ありがたく思っておりますので、大臣からも明確な御回答をいただけますように、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
さて、昨年の九月に民主党政権が発足をいたしました。 前原国土交通大臣が誕生いたしまして、九月十六日に、地元の声を聞かないまま、一方的に中止の宣言をされた。 その後、ことしの一月二十四日、地元の皆さんと対話の集会を行っていただきましたけれども、それ以降、 正直、地元との話し合いというものは進んでいないというふうに承知をしております。
気がつきましたら、大臣が中止の宣言をされてから半年たとうとしているわけであります。 簡単に半年と言ってしまいますと、我々、毎日生活していますと時間というものはすぐに過ぎてしまうのですけれども、この半年の間、 住民の皆さん方がどんな思いを抱えて一日一日を過ごされていたのか、そのことをもう少し御理解いただきたいと思います。
もちろん国土交通大臣には、八ツ場ダムのことだけでなくさまざまな課題がありますので、 どうしてもなかなかそればかりに時間を費やせないという状況はよくわかるんですけれども、地元にしてみますと、正直、半年の間、 中止という宣言がなされたまま、先も見えない、野ざらしにされているような、そんな印象さえ持つわけであります。
これまで幾多の困難がありまして、八ツ場ダムについては私が生まれる前からの話でありますけれども、本当にいろいろな時代を経て今があります。 そして、やっと平成二十七年に完成ができるというめどが立ってきたところでありまして、地元にしてみると、本当にこれまでいろいろなことはあったけれども、 やっとめどが立ってきたね、私たちの地元も明るい未来というものが開けてくるのではないか、 そんな大きな期待を持ちながら八ツ場ダムの完成というものを待ち望んでいたわけであります。
そんな中、今回中止ということでありまして、今まで八ツ場ダム完成ありきでずっと生活、考え方も来たものですから、これが中止になるということは一体どういうことなのか。 本当に先の見えない不安感の中で、長野原町また周辺の町の皆さん方は不安な思いで過ごしているわけであります。
大臣は、この前来られたときに、ダムに頼らない治水を目指すんだ、そして、この地元において、ダムはつくらずに、 もちろん生活再建に関してはしっかり進めていくんだというようなお話がありました。 しかし、地元の皆さんにしてみると、ダムあっての生活再建なんです。 ですから、ダムをつくらないということでの生活再建ということは、正直あり得ないわけでありまして、もしダムをつくらないのであれば、数十年前の、 町からだれも出ていかずにしっかり町としての機能を果たしていたころの状態に戻していただきたい、どちらかしか考えられない、そのように言っているわけであります。
大臣はこの前、一月二十四日に地元に足を運んでいただきまして、地域の方々とお話をしていただき、どんな思いがあるのか聞いていただいたかと思います。 本当はふるさとを離れたくなかった、先祖代々の土地を手放したくなかった、しかし引っ越しをせざるを得なかった、 そんな方々や、あるいは、代替地に引っ越すに当たって、先祖のお墓を掘り起こして移動させたという方々もおられます。
みんな、いろいろな罪悪感というか、抱えながら生活をしてきまして、でも、ダムができるのだから、一都五県に対して大きな貢献ができるのだから、 私たちの地元もダムとともに歩む地域として発展していこうという目的を持てるのだから、だからいいじゃないかというような思いで、 いろいろな罪悪感、さまざまな感情というものをのみ込みながら今日まで来たわけであります。
その歩みの中では、本当は起こしたくなかったけれども、町の中でいろいろな対立が起こって、隣の、近所の、 本当は仲よくするような人たちとも対立をしたり、そんなさまざまなことがあったわけであります。 そうした本当に長い歴史の中で、どんな思いで地域の方々が過ごしてきたかということをもっと御理解いただきたいというふうに思います。
そんな中で、質問に移らせていただきますけれども、先日、群馬県選出の民主党の国会議員がある要望を出されました。 それは、ごく一部の声を採用して、川原湯温泉街は現状のままでの生活再建を望んでいるので、 その方向で検討してもらいたい、そういう旨の要望書を提出したというふうに聞いています。 私は、これは本当に事実誤認も甚だしいのではないか、そのように思っています。
今お話ししたように、川原湯温泉というのは、特に商売がかかっていることでありますので、本当にいろいろな思いの中でこれまで過ごしてきました。 この要望書が提出されたというふうに聞いて、地元の旅館組合は大変怒り心頭、怒り心頭というか、 不快感を通り越して、もう何もかも信じられない、どうしてこういう声が出るのかと。 それを地元の声というふうに言っているんですけれども、では、地元の声というのであれば、 どこからの声をこのような形で民主党の国会議員の方々は要望書として提出をされているのか、もう本当に信じられないというふうに言っています。
多分、この前大臣が来られたときに、地元のいろいろな方々が要望ということでお立ちになってお話をされた中で、 多分、旅館組合というか、川原湯温泉の代表者がお話をされたと思います。 その中でも、もちろんダムをつくってほしいという声がすべての意見であるというふうに大臣もお聞きになっていただいたのではないかと思います。 私も、当選以来ずっと、八ツ場ダム、川原湯温泉、長野原町とともに歩いてきました。 いろいろな声を聞いてきました。私の先代もそのようにこの地域とつき合ってきたわけであります。
にもかかわらず、どこからの声かわからないけれども、地域の声ということで、民主党の国会議員の方々がこういう要望書を提出される。 これは本当に、不信感を通り越して、地元としたら、どうしていったらいいのかというような気持ちでいると思うんですけれども、 大臣は、このことについて、またこの要望書についてどのような思いでおられるのか、お伺いしたいと思います。
前原国務大臣
小渕委員にお答えをいたします。
まず、政権交代による政策変更があったとはいえ、地元の方々には塗炭の苦しみをおかけしているということについては、私は、九月の二十三日に伺ったときも、 そしてこの間、一月の二十四日に伺ったときも、心からおわびを申し上げたわけであります。
地元の方々に何の罪も瑕疵もありません。 昔は、皆さん、むしろ旗を上げて反対をされていたという話も伺っておりますし、昔は中選挙区でありまして、総理経験者三名が選挙区でいらしたわけでありますけれども、 いろいろな意見がまじりながら、最終的には苦渋の選択としてダムを受け入れられたという経過もお話を伺っております。 そういう意味で、地元の皆さん方には本当に御迷惑をおかけしている、御心痛をおかけしているということについては、率直におわびを申し上げたいと思っております。
その上で、今委員から、川原湯温泉についての要望書が民主党議員から提出されたというお尋ねでございますけれども、確かに、 昨年十一月の十一日に群馬県選出の民主党国会議員六名が私のところに要望に来られまして、「川原湯温泉街は、 原則として現在地での営業継続を前提に再建計画を策定すること。」という御要望はいただきました。
ただ、もちろん、この六名の国会議員さんも地元の話をしっかり聞かれた上でこういう要望をされているんだと思いますけれども、 現在、国土交通省といたしまして、水没予定地区の川原湯温泉を含む川原湯地域と川原畑地域に対して、住民の方々の移転に関する地元の御意向を把握するための調査、 アンケートを行っているわけでございまして、その調査結果を踏まえて、住民の方々の御意向をできるだけ尊重する方向で対処していきたい、このように考えております。
小渕委員
大臣におかれましては、地元にお入りいただいたときにも率直に地域の皆さんにまずおわびをしていただいた、 そのことについては大変ありがたいと思っておるんですけれども、私たちは大臣のおわびを聞きたいのではないんです。
本当に、基本的なことなんですけれども、住民は、なぜ八ツ場ダムを中止しなければならないのか、その一番最初の原点のところを全く理解できずにいるんです。 そこを説明なくしておわびだけいただいても、決して納得できることではありませんし、再検証というお話がありますけれども、 中止ありきの再検証ということではなくて、ぜひとも中止、もう含めたのかもしれませんけれども、ゼロベースでの再検証というものを考えていただきたいというふうに思います。
先ほどの質問に続けてちょっと申し上げたいんですけれども、この川原湯温泉、もちろんダムをつくったとするのであれば、 一つの観光資源としてダムを生かしながら今後川原湯温泉の再建をしていく、そのように思っておりましたけれども、その要望書によると、 川原湯温泉街は現状のままでの生活再建を望んでいるというようなお話がありました。
実際、川原湯温泉を見ていただいたかと思うんですけれども、二十七年に新しくつくり直すつもりでいましたので、余り設備投資にお金をかけずに、 本当にいろいろなところを取り繕いながら温泉を経営しているというような状況であります。 また、消防法の防火扉とかスプリンクラーですとか、そうしたものは今猶予してもらっているという状況でありまして、私たちは、 まさか同じところでもう一度、川原湯温泉を再建するんだという思いは全くないままでこれまで動いてきているわけです。 ですから、もし川原湯をそのまま、現状維持しながら再建するということになると、財政面だけを考えても相当な、それこそ個々に負担が生じてくる、そのように思います。
また、もう既に代替地に引っ越しをされた方々もおられます。 代替地も見ていただきました。 大変山の上に、断崖絶壁だったところを何とか平らにして、そこに今住んでおるわけであります。 正直、もしダムで水が張られないのだとするのであれば、あんな山の上に住む人というのは余りいないんじゃないかと思うんですね。 あそこの山の上に代替地ができたのは、もちろんダムができるものとして、あそこはレークサイドというような感じになって、かなり環境のいい中での生活が約束されているわけです。
しかし、川原湯温泉は現状のまま、代替地に引っ越した方はそのままということになると、これはもう集落として全く機能していないような状況になるわけですし、 川原湯温泉の再建のための財政面での負担というものもかなり大きいんですけれども、代替地、山の上でのインフラ整備というものも相当なものがかかるというふうに思うんです。
大臣、実際、あの現場に行かれて、もし自分が当事者だとして、あの山の上に住んで、ダムはできません、下までえらい谷が広がっています、 橋がえらい高いところに建っています、そういう状況の中で生活される方々のことを思って、どのように考えられますか。
前原国務大臣
率直に私は申しわけないと思います。 政策変更によってそういう生活の前提が変わるわけですので、いわゆるダム湖を観光資源として、 それが観光資源になるかどうかという検証はまた別の観点から必要だとは思っておりますけれども、そういう前提で代替地に移られた、 あるいは移られようとされている方々がおられるという中で、それは率直に申しわけないと私は思っています。
先ほど、金子委員が御質問をされました。 私も五木村には何度も行きましたけれども、五木村はもう完全に両側に代替地ができて、そこに移転が、一人だけが今、下に住んでおられますけれども、 全員がもう代替地に移転をされておられますので、そういう意味では、高いところに二つの集落があって、 そしてその高い代替地をつなぐ橋というものをこれからつくっていくということになるわけであります。
今、小渕委員がおっしゃったように、川原湯温泉の皆さん方の御意向というものを最大限尊重していきたいと思っております。 ただ、まだダム中止を前提としたお話し合いには応じていただいておりませんので、そういったところまではいっていないのが現状でございますけれども、 これから、可能であれば何度も足を運んで、そして川原湯温泉の方々のみならず、まだ移転をされていない方々を含めて、 どういった生活再建をしていくべきなのかということをしっかりとお話を伺いながら、丁寧に進めていきたい、このように考えております。
小渕委員
一月二十四日に対話集会を持っていただきました。それ以降、このような対話集会を持たれておられますか。
前原国務大臣
まだ持てておりません。
小渕委員
それはなぜだと思われますか。
前原国務大臣
まだ、ダム前提の皆さん方、お気持ちにお変わりがないということで、 ダム中止というものを前提とした生活再建には応じられないというのが多くの方々のお気持ちではないかと思います。
ただ、ためにする議論ではありませんが、事実として小渕委員には申し上げますけれども、さまざまな方からお手紙をいただいております。 また、直接お話もいただいております。 それは、水没する地域の方々であったり、水没地ではないけれども、長野原とか、そういったまさに近傍にお住まいの方々からいろいろな御意見もいただいておりまして、 私が御意見をいただく方々のほとんどは、ダムの中止というものを宣言してもらってよかったということをおっしゃる方もおられるということであります。
ただ、これは多い少ないの問題でなくて、先ほど申し上げたように、いかに政権交代があったとはいえ、 政策変更で多大な御迷惑を何の罪も瑕疵もない住民の皆さん方におかけしているということについては、率直におわびを申し上げながら、 我々の考え方を理解していただき、ダムに頼らない生活再建というものの議論をしていただけるような状況になれば、真摯にお話し合いをさせていただきたいと考えております。
小渕委員
そのあたりにやはりちょっと認識の差があるのかなというふうに思うんです。
もちろん、先ほど、大臣のところに八ツ場ダム中止を宣言していただいてよかったというような声があるということですけれども、 大臣のところにはやはりそういう声の方が多く来るのだというふうに思います。
一月二十四日の会を開催するに当たって前提となっているのが、大臣が昨年の国土交通委員会でおっしゃっていることで、 議論のテーブルに着いてもらうために予断なく再検証するということをおっしゃいました。 認識の違いというのはちょっとこのあたりにあるのではないかと思うんですけれども、私たち地元の人間は、予断なく再検証するということについて、 中止を前提で話をするのではなくて、もちろん再検証していただくのは構いません、しかしその再検証の上で、いろいろなことをトータルして考えたときに、 ダムを継続してやっていくというようなことを含めた上での検証であり、その上でテーブルに私たちは着いたんです。 ですけれども、それ以降、大臣の御発言を見たり、あるいはことしに入ってからの予算委員会での大臣の発言を見ても、やはり中止を前提ということは変わっていない。
先ほど、金子委員の御質問の中で大臣がお答えになったことで、法律に基づく手続には入っていないからということをおっしゃいました。 そのあたりについても、ちょっと地元としてはなかなか理解をしがたいところなんだと思うんです。 住民の声を聞いていただくに当たって、中止ありきで話を聞くといってもやはり前に進まないのは当然のことでありまして、 あくまでもゼロベースでの再検証、そして意見聴取というものを行っていただきたいと思います。
大臣、どのようにお考えでしょうか。
前原国務大臣
今委員がおっしゃったとおり、住民の方々に話し合いをしていただく前提として、中止の方向性には変わりはありませんけれども、他のダムと同様、 予断なく再検証させていただくということをお約束しております。 それはそのままとっていただいたら結構であります。
法律に基づいて中止の手続に入っていないということは、大きく言えば二つ理由がございまして、一つは、この法律のたてつけそのものが、 特定多目的ダム法が関係自治体とのいわゆる議論をしなければ中止はできないということになっているというたてつけの問題が一つ。
もう一つは、我々は生活再建はしっかりしていこうと。 仮に中止になったときにも、先ほど小渕委員がおっしゃったように、では、代替地に住まわれるのか、あるいは今のところにお住まいになるのか、 そういったことを踏まえて、インフラ整備も仕方が変わってくるかもしれません。 あるいは、生活再建についてどういうものが必要なのかということをこれからまた、仮にダムの中止というものを前提として議論していただいた場合については、 地元からの御要望や我々の案を御提示する中で意見交換をしていこうとすれば、今のダムの、いわゆる特定多目的ダム法という法律がなければ、 生活再建、今続けているものも継続できないということもございます。
あくまでも中止の方針は打ち出しておりますけれども、予断なく再検証する。 そして、一都五県、流域の方々との意見交換というのは緊密に行いながら御理解をいただく、そして、必要な生活再建はしっかりやっていく。 その前提で、法律の中止はしていないということをぜひ御理解いただければありがたいと考えております。
小渕委員
先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、地元といたしますと、なぜ八ツ場ダムが中止をされなければならないのか、 その一番の原点のところについて全く理解ができないというような状況であります。
先ほど金子委員から、胆沢ダムと八ツ場ダムを比べたときに、BバイCを比べてみても必要なダムではないかというようなお話がありましたけれども、 地元ももちろんそうした知識を持っております。 もちろん七割進んでおりますし、あとは本当にダムをつくればいいだけ。 中止の中の条件として、ダム本体に着工していなかった、そこだけに八ツ場ダムはひっかかったわけであります。
しかし、一都五県の賛同もあり、治水、利水の面からも必要とされたダムであると言われ、そして七割ができている。 この状況においてなぜ今から中止をしなければならないのか。 本当にその原点を理解していただく必要があると思うんですね。
そういう中で、地元の声を聞いていただく中で、やはり中止ということを前提に置いた中での対話はできないという思いがあります。 もちろん、しっかりと地元の声を聞いていただきたいと思いますし、なぜ八ツ場が中止なのかということをもっとしっかりとというか、 どういうふうに言っていただくと納得できるのか、ちょっと私自身も納得しておりませんのであれですけれども、 納得のいく御説明をいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
次の質問に移りたいと思います。湖面一号橋の必要性についてであります。
先ほど大臣から、地元の意向調査を実施しているというふうにお伺いいたしました。 その結果は出ましたでしょうか。
前原国務大臣
今委員から御指摘がございましたように、私が河川局、現場の事務所に指示をいたしまして、湖面一号橋の今後の扱いを判断するための材料の一つとして、 川原湯地区と川原畑地区にお住まいの方々の移転に関する意向調査をアンケート方式によって実施しております。
その内容につきましては、湖面一号橋が川原湯代替地と川原畑代替地を結ぶ橋梁として計画されていることを踏まえて、 移転後の生活に支障を与えることは望ましくないとの観点から、現時点で両代替地への移転意向をお持ちの方がどの程度おられるかということを調べているものであります。
現在、アンケートの回収がほぼ終わっている状況であって、今後、内容を十分に吟味していきたいと思っておりまして、 まとめた結果についてはこの国土交通委員会にもしっかりと御提示をさせていただきたいと考えております。
小渕委員
小渕委員 ただいま大臣から、その結果を公表していただけるというようなお話がありました。 具体的にどのくらいのときに公表していただけるんでしょうか。
前原国務大臣
前原国務大臣 精査ができ次第、公表させていただきます。
小渕委員
先ほども申し上げましたように、一日一日延びることがどれほど地元に対しての負担が大きいかということを説明させていただきました。 できるだけ早く調査結果を出していただいて、公表をいただきたいと思います。
また、この結果はどのように行政に反映させるおつもりでしょうか。
前原国務大臣
予算の計上をしております。 先ほど申し上げたように、本体工事の中止の方針は示しておりますけれども、有識者会議の物差し、基準というものがまだできていないわけでありますし、 予断なく再検証をさせていただくダムに含めておりますので、その結果というものも踏まえた対応になろうかと思います。
本体工事には着工しませんが、今進んでいる生活関連事業について、必要なものはこれからも進めていくということでございまして、 湖面一号橋も、そのアンケート結果を踏まえて、どのようにするかという判断をさせていただきたいと考えております。
小渕委員
どうも、こうした意向調査というものを行っていただくというのがジェスチャーのように見えて仕方がないんですね。 というのは、やはり地元にとってみると、絶対にこれは中止していただきたくない事業でありますし、県としても、これは発注をもうしております。 話がどうしても湖面一号橋については平行線だと私は思うんですね。 私たち地元としては、ダムができる前提でこの橋は欲しいと思いますし、大臣の方からしてみると、 ダムができないのであればこの一号橋は要らないのではないかというような話になるわけであります。
できるだけ早くこの意向調査を出していただきまして、しっかりと行政として政策に生かしていただきたいと思いますし、 ぜひともジェスチャーに終わらないようにお願いしたいと思います。
前原国務大臣
ジェスチャーでやっているつもりはありません。
それから、繰り返しで恐縮でありますが、小渕議員のところに届く声というのは推進派の方々からの声が届きますし、 私の耳に届いてくるのは湖面一号橋は要らないという声がやはり届くんですよね。
ただ、それは全体としてどういう、少数なのかマジョリティーなのかといったことをちゃんと客観的に分析いたしますし、 六十世帯のアンケート調査でありますので、それほど時間はかけずに公表させていただきたいと考えております。
小渕委員
それであるのであれば、どちらの側の意見も聞けるような、開かれた、 私たちが納得をして出席できるような対話集会というものが開けるように、大臣も御努力をお願いしたいと思います。
次の質問に移らせていただきます。
ダムに頼らない治水ということを大臣は常日ごろおっしゃっておられます。 治水の面では、代替案といたしまして、緑のダムであるとか堤防をかさ上げするとか、そういったことをお話しになっておるんですけれども、 利水面ではどのようなことをお考えいただいているのでしょうか。
というのも、先ほどもお話が出ていましたけれども、一都五県、水が必要だと言っている方々にとっては、 これまで負担金も出していただきながらダム建設というものを進めてきたわけであります。 決して、ほかのところから反対が出ているというようなダムではなくて、下流都県はみんなどこも水が欲しいということを言っているわけであります。
国土交通省のデータによりますと、首都圏の主な渇水ということで、これは、昭和四十七年から平成十三年までの統計をとっているものがあるんですけれども、 大体日数にして、少なくても一週間、多いと六十日ほど取水制限をしているというようなデータもあるわけであります。
今、社会の状況が変わって、人口も少なくなってきて、水を必要としなくなったというお話もあるんですけれども、でも一方で、一都五県、 水を使う方の皆さん方にとってはやはり水が欲しいということで、負担金も提供してきていただいているわけであります。 実際、このような渇水状況というようなデータもあるわけであります。
利水について、大臣、どのようにお考えになっていますでしょうか。
前原国務大臣
今開いております有識者会議におきましては、治水のみならず利水についても議論をしていただいているところでございます。 今委員がおっしゃったように、一都五県含めて、下流域からは御要望もいただいているわけでございますけれども、 どういった代替案があり得るのかということについて、その基準となる考え方について今御議論をいただいているところでございます。
そうなると、最終的には、フルプランというものを見直すのか見直さないのかというところまでいくと思いますので、そういった根本にかかわる、 先ほど金子委員は政策転換とは言えないとおっしゃいましたが、我々としては、今の財政状況やあるいは今の日本の置かれた制約状況を加味して、根本的な治水、 利水のいわゆる基準軸を見直していこうということでございますので、そういった軸ができたときに、しっかりとお示しをしていきたいと考えております。
小渕委員
時間が参りましたので以上とさせていただきますが、引き続き、この八ツ場ダムにつきましてはしっかり議論させていただきたいと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。
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