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174回 内閣委員会 7号
平成22年4月16日
小渕委員
自由民主党の小渕優子でございます。
金曜日の夕方近くなってまいりましたが、最後まで張り切って元気よく、大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、特に、国家公務員の政治的中立性、そして優秀な人材の確保、この二点に絞って、 政府提出法案の問題点について質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
まず初めに、仙谷大臣にお伺いをさせていただきます。
国家公務員、特に幹部公務員の政治的中立性の重要性について大臣の認識をお伺いしたいと思います。 あわせて、具体的に、政府提出法案において、幹部公務員の政治的中立性、それと内閣主導の人事登用について、どのようにバランスを図っていくのか、質問させていただきます。
仙谷国務大臣
この問題、言うはやすく行うはかたしといいましょうか、言葉で言えば何かわかったような気になるわけですが、現実にはなかなか難しい問題だろうなと思います。
小渕議員も大臣をお務めになっていらっしゃるので、部下というと語弊がありますが、幹部公務員、それからスタッフとしての力を持った公務員、いろいろおつき合いされたと思いますが、 今私がこの手に持っておりますのは、人事院が、「新しい時代の職業公務員の育成 政治主導を支える「全体の奉仕者」像」という、 むしろどういう研修をすればいいかという観点でつくった冊子でありますが、これを見ておるんですが、そこにこういう言い方が出てきます。
国民全体の奉仕者たる公務員のあるべき姿に向けた研さんをしてもらわなければならない、それから次が、使命感や健全な誇り、気概が必要だ、その次に、政治と節度のある距離の確保ができる公務員でなければならない、 さらには、縦割りを超え、現実的課題を解決する能力が必要である、その次は、失敗も含めた過去の行政事例の分析を通じた問題解決能力、さらには、古典教育等を通じた人格、倫理観の形成というのが必要だ。こういうことであります。
中立性に限って言えば、幹部公務員の場合にはとりわけ、政権交代が起こるということを一つの前提にして、政治に従い、政治を支えるための意識や能力、これは、政治に従うということが、 果たして、日本的な、今まで中立性と言ってきたものとどう関係するのか、あるいは感覚的にそのことがどう納得されるのだという、まことに今日的な、 つまり、公務員制度改革基本法以降政と官の関係というのが意識して論じられているわけでありますが、その場合に、政治に従う、そして政治を支える、この二つの要素が改めて、 全く政治とは関係のないという建前のもとでの政治的中立性ということとはやはり様相が違ってきているのではないかと私は思っております。
これは、先ほどの、どういう公務員になってもらいたいかという研修の中での、使命感や、あるいは、やはり政治との節度ある距離をどう確保するのか、 緊張感を持ちながらどう行うのか、これは政治の側も、あるいは官僚の皆様方にもそういう意識を持ってもらわなければなりません。 反対に言えば、政治と節度のある距離感を持っていらっしゃる幹部を幹部として登用できるかどうか。
余り、手のひらを返したように、べちゃべちゃ、ごまをすりながらついてくるような、そういう公務員というか官僚、幹部の方を、政治家の方はよく見きわめて、 そういう人は高い評価はしないとか、そういうことが必要なのではないかな、そういうふうに考えております。
小渕委員
ありがとうございます。大変長い御答弁をいただきまして、丁寧に、ありがとうございます。
そこで、結論としてはどういうことかなと今考えておりましたところ、難しい問題だという大臣のお言葉なのでしょうか。 ただ、やはり政治的な中立性というものは大事である、しっかりこの辺は担保していかなければならないということではないかと思っておるんです。
今回のこの政府提出法案のように、内閣主導で人事を行ってくる、その面について強化をしていくということになると、厳密に、客観的に各人の能力、実績を評価し、 公平公正な人事が行われる、その仕組みを制度として盛り込んでおかなければ、大臣の主観に基づく情実人事が横行するおそれがあるのではないか、そのように思っております。
そこで、ことしに入ってから二度にわたりまして、総務省において、その懸念を裏づけるような人事が行われたのではないかと疑わせるような報道がありました。 大々的に報道されたにもかかわらず、いまだに、大臣であります原口総務大臣から、それらの人事の意図、判断理由など、疑念を払拭するための説明はなされていないのではないかと思います。 きょうは総務省の副大臣にお越しをいただいておりますが、ちょっとその点について質問させていただきたいと思います。
報道によりますと、四月一日付で、大臣官房総務課長、国会連絡室長と室員二人が、原口大臣が国会審議に二度遅刻をした問題の責任をとらされて更迭されたとのことですが、これは事実でしょうか。
渡辺副大臣
小渕委員の御質問にお答えいたします。
四月八日の総務委員会におきまして、石田真敏委員からの質問で同様の質問がございました。
そこで原口大臣は、四月一日の人事は、三月の二十四日に予算並びに地方税関連法案、交付税法が成立をしたこと、あるいは二十六日に合併の特例法が、 市町村合併の法律が成立したことを受けて、四月一日に、地方との人事交流を行う、例年の大規模な異動を契機に行ったものでございます。 その中で、原口大臣は、そのような人事について、更迭やそういう意図があったわけではないということを明確に言っておりまして、 これは降格でもなく同格の人事でございますので、その点は明確に、もう既に総務委員会で御党の石田委員の質問に総務大臣がお答えをしております。
小渕委員
報道によりますと、これは更迭なのではないかということが何紙にもわたって報道されているわけであります。
とするのであると、こうした情報というのは政務三役の方から話が出ているんですか。 それとも、官僚の方からこうした情報というのは出ているんですか。もしそうだとすると問題だと思います。その辺の事実確認はされているんでしょうか。
また、これは特に問題のない人事異動だということをおっしゃるんですが、国会開会中に国会対応のかなめである存在の課長さんを異動させるということ、これはそんなに頻繁に起こることなんでしょうか。 極めて異例なことではないかと思いますが、いかがでしょうか。
渡辺副大臣
四月一日付の人事につきましては、これまでも大規模な異動を行っておりました。 ですので、今回異動になった官房総務課長がこの異動のお一人であったということにつきましても、これは従来の人事交流を含めた四月一日の異動の中の一つであるということでございます。
また、今申し上げましたように、予算が成立したこと、あるいは日切れ法案の処理が終了した、また懸案の法案が成立をしたということで、 これは、国会に提出をしております放送法等の一部改正法律案等今後のさまざまな総合調整事務において重責を担っていただくということで適所に異動したということでございます。
報道等では更迭ではないかと言われていますが、どのような意図で報道が書いたのかは、これはもちろん、私もかつて新聞記者を、委員もTBSにいらっしゃいましたので、報道にてどのような意図で、 記者がどう取材をしてどのように書いたかは報道の裁量だと思いますが、少なくとも更迭と言われるようなことではないということは、大臣がもう繰り返し否定をしております。
小渕委員
それでは、あわせてお伺いをしたいと思います。
また報道によるとでありますが、一月にも、在任半年の前事務次官を交代させるという、これも異例の人事を行っています。 前事務次官が前政権寄りだったからなどの憶測がなされている中でありますけれども、原口大臣から、この人事の意図、判断理由などについて具体的な説明がなされていないのではないかと思います。 能力、実績に基づく公平公正な人事を行っていると主張されるのであれば、やはりこうした疑念に対して真摯にお答えをしていく、みずから進んで説明をしていく、その姿勢が必要なのではないかと思います。
一月の事務次官交代人事の意図、判断理由、特に、例年の夏の異動まで待てず、一月でならなければならなかったその具体的な理由、それについてお伺いしたいと思います。
渡辺副大臣
今の、当時の鈴木次官の人事異動につきましては、実は総務委員会でも石田委員から、これは異例ではないかと言われました。
ただ、異例という言葉は、これは恐らく官の世界から見たら異例なんでしょうけれども、現実問題として、任命権者である大臣と、 そしてまた御本人から辞任の申し出があったということで、円満に事務次官の座を譲られたわけでございまして、そういう意味におきましては、 これは当然、新体制の中でやっていくという中で一区切りがついたということで、双方の思いのもとでこうした交代があったということでございます。
決して前政権寄りだから生首を切るようなことをしているわけではございませんし、この鈴木前次官は今も総務省の顧問という形で大所高所から原口ビジョンの実現に向かって連携をしているというところでございます。 当然、決して前政権寄りだから懲罰的な意味を込めて生首を切ったということではございませんので、その点についても、我々は三役の中でも、また総務省の中でも認識を共有しているところでございます。
小渕委員
今御説明があったわけですけれども、なぜ夏ではなく一月の時期でなければならなかったのか、その具体的な説明ということに対して十分ではない。 今、当の総務省の職員の皆さん、また国民の皆さんがこうしたことについて納得できるのか。私は、それは説明として不十分ではないかというふうに思っております。 やはり、これまでと違うことを行うのであれば、だれもが納得のいく説明をしっかりすべきではないかと思います。
結局、本当に客観的な能力とか業績とかを評価した結果に基づく人事であったのか、その疑念というものは晴れないわけで、 こうしたことが鳩山内閣において一回だけでなく二回、三回と、いろいろなところでこういうことが起こってくるわけで、こういうことが何度も続いてくると、 やはりそれはそんなに単純な異動ではないのではないかというふうに、皆さん方も、そして国民も思うわけであります。
申し上げるまでもなく、公平公正な人事に対する信頼が揺らげば職員の士気は著しく低下をしていきます。 組織の存続すら脅かしかねないということは、これは人材マネジメントの基本ではないかと思います。 これは国民にとっても大きな損失になるということは言うまでもないことであります。
今後さらに内閣主導の人事を強化する今回のこの政府提出法案における国家公務員制度のもとでは、厳格に政治的な中立性を担保するための措置をしっかり盛り込んでいくべきではないかと思います。 そうしていかないと、やはり、幹部公務員として重用されるには、先ほど大臣からもお話がありましたけれども、大臣にとって耳ざわりのいい話をする人、あるいは大臣や政権に迎合的な行動をする人、 そういう人の集まりになってしまうことであって、これは本当に、国の将来を考えたときに大変大きな問題になってくると思います。
仙谷大臣にお伺いをいたします。今回のこの総務大臣における一連の人事についてどのようにお考えになりますでしょうか。 この政府提出法案は、こうしたことがさらに強化をされ、いろいろなところで疑念を生むことにならないのでしょうか。質問させていただきます。
仙谷国務大臣
総務省でそのような、新聞で報道されておりますような人事がなされるときに、どういう事情があったのか、どういう評価がされたのか、それはわかりません。私はわかりませんのでコメントのしようもございません。
ただ、自民党、みんなの党さんが提出されている法案でも、幹部人事をある程度、政治との適切な関係の中で、好き嫌いとか、党派的にいいとか悪いとか、右とか左とか、そういうことじゃなくて、 しかし、にもかかわらず、例えばこの局面でこの政策を遂行するためにここで人事を行いたいというときには幹部人事をかえる、そのことができるような体系にしたいというのは、 やはり、自民党、みんなの党さんの法律案もそういう趣旨が含まれているのではないかと私は見ておりますというか解釈をしておりまして、やはりそれはある種の時代の要請なのではないか。
五五年体制が終わった後の、そして現時点での我々の、ある種の、失われた十年なのか二十年なのか、私は決して失われたと思っていませんが、 しかし、経済成長やその他のいろいろな面から見て、どちらかというと、やはり閉塞とか窒息とか、そういう感覚で言われている事態が今の日本でまだまだ続いていることもまた間違いがないわけで、 そうだとすると、キャリアの方々あるいは政策の企画立案をされる方々に我々が期待するところも、従来よりも、政治との関係において適切な距離感と、適切な専門家としての政策選択肢の提示ということが求められている。
つまり、優秀と言われた、例えば、金丸さんは昔、八九年、九〇年の選挙のときには、いやまあ、自民党から社会党の政権にかわっても大丈夫なんだよ、 役人が優秀だから大丈夫なんだ、自民党の政治なんてもうそんなものだみたいなことを当時の金丸さんは言っていましたけれども。 そうだったのかどうかは知りませんよ。それは知りませんけれども、そういうところからはやはり一歩進んだ段階で政と官の関係をつくらなければならないということだけは間違いがない。
総務省の人事は、まことに申しわけございませんが、全く事情がわかりませんのでコメントをする立場にないと思います。
大島副大臣
答弁をさせていただきます。ありがとうございます。
今回の法案においては、幹部職員人事の弾力化のほか、幹部職員人事の一元管理を実現するために、一つは、官房長官が、幹部職に係る標準職務遂行能力の有無を適格性審査において判定して、審査の合格者について、まず幹部候補者名簿を作成する。 任命者は、幹部候補者名簿に記載されている者の中から、人事評価等に基づき、任命しようとする幹部職員についての適格性を判断して任用を行う。 幹部職員の任命を行う場合に、内閣総理大臣及び内閣官房長官と任命権者により協議を行うこととしております。 内閣総理大臣及び内閣官房長官と任命権者により協議を行うこととしておりまして、このような基本的な仕組みを法定して、内閣総理大臣、内閣官房長官及び任命権者が幹部職員の人事について責任を負う体制をまず確立させていただいております。
個々の官職への任用の際の官職についての適性の判断に当たっては、人事評価等に基づき、個々の官職ごとに求められる専門的な知識、 技術、経験等の有無を考慮して行われる必要があり、これに反する恣意的な人事は許されないと考えております。
また、幹部職員の任命については、内閣総理大臣及び内閣官房長官との協議が必要になっており、複数の視点によるチェックが働く仕組みとなっております。 このような仕組みは、任命される職員の国民全体の奉仕者としての性格には影響を与えるものではなく、公務員の中立性は確保されるものと考えております。
いずれにしても、具体的な人事については、官職についての適性があると判断されることを前提としつつ、重要課題への対応の必要性、職員全体の士気の維持向上、 さらには組織運営への影響などについても十分に考慮の上行われることが必要であると考えております。
私も、福島大臣の下で、小渕先生が大臣をされていたときの部下の皆さんとも仕事をさせていただいておりまして、 ほかの部局も含めて、極めて誠実に仕事をしていただいているという認識を持たせていただいております。
小渕委員
先ほど大臣から、自民党、みんなの党が出している対案についても同じような考えではないかというようなお話がありましたが、それについては、 この後、対案提出者に質問させていただきたいと思いますが、その前に、今、副大臣からのお話の中で、法案第六十一条の四において内閣総理大臣及び内閣官房長官との協議が定められていると。
仮に、ある省の大臣が公平公正性に問題のあるような幹部人事を行った場合、先ほどの情実人事ではありませんが、 その場合、内閣総理大臣及び内閣官房長官、これはどのような責任を負っていくのでしょうか。
大島副大臣
情実人事であるかどうかというのは、これはなかなか主観的な判断で、私が語るところではないんですけれども、幹部人事については、大臣だけで決められるものではなくて、 総理大臣及び官房長官だけで決められるものではなくて、この両者が協議をすることによって、複眼的に見ていただいて人事を行う、そういうたてつけにさせていただいております。
小渕委員
済みません、何かちょっとわかったようなわからないようなという感じなのですが。
心配をされるのが、やはり客観的な評価というものをどのように担保していくのかということなんだと思うんです。
それで、先ほどもお話ありましたように、私も大臣をやっていましたときに、いろいろとやっていただいた役所の皆さん、本当に誠実にやっていただいたと思っておりますし、 そのあたりはしっかりとした距離を持ちながらも、やはり国家のためにというか国民のために仕事をさせていただいたと思うのですが、そうした方々が考えても、 公平公正である人事というのは、これはなかなか難しいことであると思うんですけれども、そのあたりはしっかり担保していかなければならないと思うんです。
そこで、議員立法の提出者にお伺いをさせていただきたいと思います。
対案について、このあたりは、内閣との一体性ということを記述しているとともに、やはり政治的な中立性の担保、 客観的評価についてもしっかり残していくということが示されているかと思うんですけれども、その、今の政府案と対案との違いについて御説明いただきたいと思います。
塩崎議員
お答え申し上げます。
最大の違いは、政府案は、幹部について一般職のままでいきましょう、こういうことになっているわけであります。これは、公務員制度改革をずっと議論してきた中で、 基本法の中で、新しい幹部職というものをちゃんとつくりましょうということになって、これは与野党合意の基本法の中に書いてある。
ということで、我々は、一般職ではなくて、政治任用と一般職との言ってみれば中間的な幹部職というものを新たに設けた。今までは一般職でありますから、 能力・実績主義でいくということで、標準職務遂行能力を見て大丈夫ならば、そういうことでいくんですけれども、我々は、三十万人余りの公務員の中で六百人が幹部ということで、 取締役という話がさっきから出ていますが、こういう人たちについては、やはり内閣との一体性が政治主導の政策決定をするためには必要だろうということで設けたわけであります。
しかしながら、今お話しのように、政治的中立というか、国民全体への奉仕者という観点を忘れない、憲法には政治的中立ではなくて国民への、 全体の奉仕者ということでありますので、我々としては、やはりできる限り客観的な評価というものもやっていかなければいけない。
政府案との最大の違いは、標準職務遂行能力が、彼ら幹部では、結局、次官、局長、審議官、これが一つになっているから、何の基準で客観的に評価されて、上に行った、下に行ったということがわからない。 これではやはりいけないんじゃないかというところが最大の違いだと思います。 我々は、むやみやたらと、好みで、あるいは印象で、主観で大臣が幹部を動かすようなことはいけないということを強く思っているがゆえに、標準職務遂行能力がちゃんと、我々は今度次官級はなくしますけれども、 局長そして審議官はちゃんと定めて客観的な評価をしていこうということでありますので、決して大臣の主観で人事が行われることがないようにしていくようにしているわけであります。
小渕委員
ありがとうございました。それを聞いて大変安心をいたしました。
やはり公平公正な形で、客観的な視点というものもしっかり含めながら人事というものは行っていかなければならないですし、 組織で働く方々はやはりそういう視点というものが大切であると思いますし、そうした思いによって士気が高まっていくのではないかと思っております。
もう一つの懸念であります、では優秀な人材をどうやって確保していくのか、この点について御質問をさせていただきたいと思います。
言うまでもないですけれども、やはり国家公務員は、真に優秀な人材がみずから進んで志望する、そんな魅力的な職業でなければならないと考えています。 今、組織や器を変えていく、その中に入ってくる人材というものも、やはり効率性や創造力が求められる、優秀な人材をしっかり確保していかなければならない、その思いは同じものがあると思います。
しかし、近年の公務員バッシングの中で優秀な人材の公務員離れが進んでいること、これについては否定し得ない事実であり、 その上さらに今回の国家公務員制度が現実のものとなっていきますと、優秀な人材というのはなかなか集まってこないのではないかというふうに心配をしております。 私は、内閣主導の名のもとにそうした情実人事が横行するような仕組みではなくて、やはり信賞必罰を徹底し、客観的で公平公正な人事と処遇を徹底することこそ、 職業としての公務員の魅力が増し、多くの優秀な人材を引きつける、そうしたことこそが公務員制度改革の目指すべき方向性であると確信をしております。
大臣にお伺いをします。どのような人材に国家公務員を志望してほしいと考えておられますか。 そして、今回のこの政府提出法案は、どのような点でそうした人材を引きつけられると考えておられますか。
仙谷国務大臣
人材論というのは、基本的に、偏差値が高い人、もう少し言えば、従来のように国家公務員試験の成績上位の人、あるいは、さらに司法試験まで合格している人、外交官試験も合格している人、 いろいろな指標があったわけでありますが、そんなことはもうほとんど意味がない時代になったというのが私の一つの考えです。
そして、私の時代なんかには少なかったわけでありますが、今の中堅以下といいましょうか、あるいは定年間近の方も含めて、ほとんどの方が外国語がおできになる、 つまり、議論ができる外国語を持っていらっしゃったり、あるいは、そういう人脈の中で情報をちゃんととる能力をお持ちだということから考えますと、私は、そういう意欲と可能性、 それから責任意識と使命感がある人ならば、あとは、公務員なら公務員になられてからの自己研さんと、 あるいは組織の中での上司に恵まれるかどうかとか切磋琢磨のいい機会があるかとか、こういうことが要素としては一番大きいと思います。
だから、極論すれば、何人お受けになるのか、そこまで知りませんが、公務員試験一番の方と百番の方と三百番の方と五百番の方と、五百人まで合格するのかどうか知りませんけれども、 そういうペーパーテストを基本にした試験の成績よりも、もう少し、入ってからの御本人の立ち位置とか目線が、絶えず、やはり国民の全体の奉仕者というか、国民目線で謙虚に考えられる人。 組織を維持する、保全するよりも、国民の権利とか国民の生活ということを大事に考えられる、そういう修練を積めるような可能性というか素質がある。 これはだから、採用側の方でそれを見抜かなければいけない。従来のように成績のいい人から採っていくということがもしあったとすれば、それはそろそろ変わってもらわなければならないな、こういうふうに思います。
小渕委員
もう一つ質問があったのですが、今のを大体まとめると、成績優秀ということだけでなく意欲と可能性、責任感と使命感がある人ということでありますが、 今回の制度改正によって、どういう点でそういう人材が集められるとお思いでしょうか。
例えば、政府提出法案のもとで幹部公務員の処遇、年収、実際の勤務日数、時間など、これはどの程度になるんでしょうか。 標準ケースの試算で構いませんので、具体的にお答えいただきたいと思います。
階大臣政務官
今私が覚えておりますのは年収の点でございます。
事務次官級は二千三百万円が標準的な年収になります。それから、局長級は千八百万円が標準的な年収であります。それから、部長級は千六百万円が標準的な年収になります。
小渕委員
これは、今回の制度改正によって変わってくるということでよろしいですか。
大島副大臣
今回は変わりません。それは、事務次官級は事務次官級の給与、あるいは局長級は局長級、部長級は部長級の給与が支払われるということになっております。
若干補足させていただきますと、小渕委員おっしゃっていました、有為な民間の人材を登用するということだと思うんですけれども、これについては、 今回の幹部職の適格性審査あるいは登用に当たっては公募というシステムを導入しておりまして、民間人材も、公に尽くしたいという方、民間で働いていらっしゃる方も、 ある程度の年限が来ますと、私と同じぐらいの年になりますと、やはり民間よりも公のために尽くしたいと希望される方が出てくることも確かなんです。 給与よりも公に尽くしたい、そういう方たちが応募できるシステムも今回の政府案の中には取り入れさせていただいております。
小渕委員
今回の公務員制度改革で、昇任や降格について、やはり不安定な状況になっていくんだと思うんですね。それで、処遇に関してもそんなに変わらないということを今おっしゃった。
公務員だけでなく普通の民間企業もそうですけれども、やはり優秀なというか、先ほど大臣のお答えにあったような、可能性があって、責任感があって、使命感があってという人材には、普通の民間の企業も集まってほしいわけですね。 そういう方々にチャレンジをしていただいて、中で御活躍をいただきたい、その思いはあるのですけれども、一方で、今回の法改正によって、処遇の面で決してしっかりとした提示がなされていないのではないかと思うんです。
というのは、民主党マニフェストによって、総人件費の二割削減ということをおっしゃっています。一方で、在職期間の長期化も掲げている。 これは何度も議論に出てきていることなんですけれども、一方で優秀な人材が欲しい、変わらない処遇をしていくんだと言いながら、ここで人件費二割削減をする、退職については、定年まで在職してもらうということで、 そうなってくると、この二つを両立させていくというのは極めて困難なことで、これは、職員の大幅な賃金カット以外その答えはないのではないかと思うんですね。
そうしたときに、優秀な人材は欲しい、処遇は変わらないといっても、このマニフェストが出されている以上、公務員になりたいという人たちは、未来に対して決して安定的ではない、 役職もそうだしお金についても決して安定的ではない、これはどうなってしまうんだろうというふうに思うと思うんですが、大臣、人件費二割削減と定年まで在職させること、これはどのように両立をさせるんですか。 職員の給与を二割削減していくんでしょうか。
仙谷国務大臣
私どもは、おててつないで同期が同時期に昇進していく、これは民間会社ではあり得ない、今後はこの種のことは少なくしていかなければならない。 幹部人事、六百なら六百の間でも、名簿に登載された方でも、スタッフとしての仕事にとどまるという方も出てくるであろう。
さらには、若い人には特に、同時期で課長さんぐらいまでは昇進をして、その後は、悪くても天下りを何回して退職金が何回か出る、独法、公益法人を渡っていく、 こういうことを期待される方々は応募することをやめていただいて結構だと思いますし、その種のお気持ちになられた瞬間にそろそろお引き取りをいただくということだろうと思います。
それから、高年齢者の賃金についても、これはできる限り民間並みに、やはりある種の年齢で、民間の場合には、執行役にならない、 あるいは取締役候補にならない方はどうしても賃金が低減していくということをお受け入れいただくということになっておるようでありますから、 そういう賃金カーブの給与体系をつくらなければならないのではないか、私はそう思っております。したがって、今は、級数ですか、そういうものについて、段階的に、 経年的に上昇することに事実上運用されておりますけれども、そういうことは、私どもが政権をとって全般的な公務員制度改革を行うときには、 そういう賃金の体系にもされなければならない、こういうふうに考えております。
小渕委員
何かわかったようなわからないようなお答えだと思います。
やはり大きな志を持って公務員になる方々がおられる中で、今回私たちは公務員の制度をどうしていくかについて話をしているわけなんですけれども、役職に関してもどうなるのかわからなくて、 好き嫌いというものが入ってくるのではないかという不安もあり、処遇も、今の大臣のお話を聞いていると、今後全くどうなってくるのかわからないという中で、 優秀な人材を確保していこうということ自体がかなり難しいことではないかと思うんです。
マニフェストで二割削減ということをおっしゃっていて、現実的になかなかこれが達成できるめどがついていないと思うんですが、できないことを余り口ばかりで言っていてもだめなんだと思うんですね。
例えば、新しい人を何人採っていいのかもわからないという状況にあるんだと思うんです。 優秀な人材は欲しい、だけれども入る枠さえない、組織の新陳代謝もとまってしまうのではないかという中で、これまでもそうですし、これからも、 国のために働いてもらう公務員のあり方というものが、根本的にどういう公務員が欲しいのかというあたりがちょっと、 随分とその姿というものがはっきりしていないのではないかというふうに思うんですが、その辺の、人事のというか、組織の新陳代謝はきちんと回っていくんでしょうか。 そして、この条件で優秀な人材というのは本当にちゃんと確保していけるんでしょうか。
仙谷国務大臣
御心配いただいてまことにありがたいのでありますが、私は、具体的に申し上げれば、この後ろに座っている我が党の、今一年生議員という名前でありますが、 若い方々のビへービアをごらんいただければ、日本をよくしたい、自分の能力を政治に使いたい、あるいはそのことが、政治ではなく、政治になる前なのか、 それとは別の話かわかりませんが、日本の、公務員になって、キャリア官僚として自分の能力を磨いて、そのことを使ってこの国をよくしたい、そういう日本人は、 女性も男性もまだまだ多く存在する、そういうふうに私は期待をしておりますし、信頼しております。そういうもともと優秀な人が、課長になる前に、 天下り法人をつくらされてそこに行くような仕組みの中でみんな嫌になってやめて、我が党の議員となって、やろうとしているんじゃないですか。
そういう、今までのような順繰り人事とか玉押し人事とかいうことで、地位が課長になり、審議官になり、局長になって何がおもしろいのかというのが私の発想であります。
小渕委員
時間が来てしまったんですけれども、随分と大臣の今の御意見は話が飛んでしまったのではないかと思います。
こちらが申し上げたいのは、選挙前にマニフェストをつくった、実際政権を運営してみるとそれが全然実現できない。 やはり、できないことばかり口にして結論は先送りというような状況でありまして、これは余りにも無責任であるかと思います。
選挙目当てのスタンドプレーではなくて、党派を超えてしっかりと議論して、真に国民のためになる改革を実現すべきであることを強く申し上げまして、時間が参りましたので以上とさせていただきます。
ありがとうございました。
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